ミツバチの一生
働き蜂
働き蜂の寿命はわずか1ヶ月ですが、その中で何回か仕事が変わっていきます。羽化して2、3週間は内勤を担当し、巣の掃除をし、その後育児を行うようになります。そして1週間ほど経った頃から、巣作りや門番を行うようになります。そしてその後の1、2週間は外勤となり、蜜を集めたり、花粉を媒介したりしてその一生を終えます。一匹のミツバチが一生かかって集めることのできるはちみつの量は、わずかティースプーン1杯にも満たない程の量。そのはちみつを得るために、ミツバチは3万個以上の花を訪れなければなりません。
オス蜂
オス蜂も寿命は1ヶ月ほどですが、その間働くことはせず、ご飯も働き蜂に食べさせてもらっています。
オス蜂の唯一の仕事は女王蜂と交尾をすることです。交尾が終わったオスは死んでしまいます。交尾ができなかったオスはやがて巣の外に追い出され、餌を食べさせてもらえないため餓死してしまいます。
女王蜂
女王蜂は、王台(おうだい)という巣の中で女王蜂を育てるために働き蜂が作る壺のような形の部屋で育ちます。王台で生まれた幼虫だけが働きバチからローヤルゼリーを与えられ、女王蜂へと育ちます。女王蜂の寿命は平均3年程度で、最長で8年ほど生き続けると言われています。働き蜂やオス蜂よりも圧倒的に長いです。女王蜂は羽化すると雄蜂の集まるところへ行き、交尾をします。そして巣箱に戻って産卵を続けます。育児などは働き蜂が行うので、女王蜂は一生卵を生み続けるのが仕事になります。
オス蜂と女王蜂のハネムーン
4月~6月の繁殖時期に入ると彼女、彼たちは結婚相手を探しに巣箱から飛び出します。女王蜂はいつも働き蜂から与えられているローヤルゼリーから蜂蜜に餌を替えて、身軽になって飛び立っていきます。
またオス蜂たちも、蜂蜜を十分にもらい出かけていきます。オス蜂と女王蜂の集合場所は決まっています。地上30メートル前後、直径100メートル前後の空間が彼、彼女たちの結婚場所になるのですが、違う巣箱の蜂同士が同じ集合場所に集い、それは毎年ほとんど変わることはありません。また、正確な体内時計のおかげで密会の時間も正確に決められているようです。ただ、集合場所の条件やどうやって来年の子孫に伝播されていくのかはまだ解明されていません。オス蜂は女王蜂が持つ性ホルモンの一種に誘われ、彼女の後ろを大挙して追い掛け回します。オス蜂は交尾器を女王蜂の刺針室へ差し込み交尾をし、交尾器の一部を女王蜂の体に残してオス蜂は死んでしまいます。女王蜂は数匹以上のオス蜂と交尾を繰り返します。彼女の受精のうが満たんになるまで続けられますが、これは近親交配の可能性を低めるためと、遺伝多様性を確保するためだと考えられています。